お金の正体

お金の価値

日銀などの中央銀行が、お金をバンバン刷って発行するとお金の価値が下がりインフレになるといいます。

数が増えると価値が下がるという理論はわかるのですが、お金の数が増えたというのはどこでわかるのでしょうか?

 

小学生ぐらいからずっと不思議に思っていたことです。

 

昔、小学生のころ、おやじから聞いたのは次のような説明だった。

「お金はどんどん刷ればいくらでも増やすことができる。しかし、増えればお金そのものの価値が下がり1万円で買えたものが2万円になったりする。だからいくらでも刷ればいいというものでもない」

という理論です。

あーなるほど、増えれば価値が下がる。それはそうだな・・・

ぼや―と納得はしていました。

 

でも、確かにその通りだと思うのですが、

「お金が刷られて増えたということをみんなはどこでわかるの?」

日銀が発行したお金の数を調べればわかるのかもしれませんが、発行枚数が1割増えたので10,000円で買えたものが11,000円になりますというような感じで品物の値段を決めているとは思えません。お店の人が値段を決めるときにいちいち現在の通貨発行枚数を調べているとは思えないのです。

発行枚数を確認しなければ、お金の価値を変えることはできません。さらに、お金の総数が増えても市場でタイムリーに感じる(自動的に変化する)ことができるものでもありません。

 

今現在、お金はかなり発行されていますが、物価は全く上がっていません。お金を刷るだけではインフレは起きないということです。

破綻

なんとなく借金はよくないという認識があり、国の借金がこのまま増え続けるといずれ破綻すると感じていましたが、この「いずれ」はどのような状態を指すのでしょう。いずれ破綻すると言われ続けていますが、未だに破綻していません。

 

国が借金をできなくなる状態になれば破綻するのでしょうか。国が借金できなくなる状態とは国債の引き受け手が居なくなる状態です。

日本は個人金融資産が1000兆円以上あるのでそれでまかなえるという理論がありますが、この1000兆円以上の個人金融資産で国債ばかりを買っているわけではないと思います。また、国は国民一人当たり〇〇万円の借金を背負っていると人口で割ってみたりしますが、よく考えると意味不明です。なぜ人口で割る?のでしょうか。また国にお金を貸している感覚もありません。国の借金と国民の資産の関係性はありません。

 

国債は日銀が引き受けているのです。なぜ日銀が引き受けるかといえば、通貨を発行できるからです。いくらでも引き受けることができます。個人の金融資産は全く関係ないということです。日銀であれば永遠に借金ができてしまうのです。

財源

お金を印刷すればいいということであれば、財源は不要ということになります。

税金を財源にする必要がないということです。税金を財源にするのであれば毎年の国家予算はむちゃくちゃな予算です。なぜこのむちゃくちゃな計画が通るかといえば、税金は財源ではないからです。

 

では税金は必要ないのでは?となりますが、税金は抑止力が高いのとただの紙切れのお金の価値を担保することができます。

 

インフレが顕著になれば税金を増やせばインフレを抑えることができます。環境に良くない二酸化炭素排出に税金をかければ、排出量を減らすことができます。このように抑止力に優れています。

 

また、紙切れのお金を価値があるものとして成り立たせているのも税金です。税金30万円を払いなさいと通達が来れば、1万円と印刷された紙切れを30枚集めて国に納めれば、30万円税金を払ったことにしてくれます。この紙切れ30枚が30万円の価値があると国が認めてくれるのです。この税金として認めてくれることにより紙切れは価値を保っているのです。納税するときこの紙切れが使えなくなると価値がなくなり、本当にただの紙切れになってしまうのです。

 

つまり、税金の一つの役割は不換紙幣(ただの紙切れ)の価値を保っているということです。