所有とは何か?

所有という空想

富が増えると裕福になりますが、所有物も増えるということでしょう。

しかし、所有とは何を意味するのでしょうか。

「自分のコントロール下にあり自由にできる範囲のこと」


自由にできる範囲が狭いあるいはほんどない場合、

所有ではなく借用と同じで「所有」という意味合いは薄れるのです。

マイホーム

例えばマイホーム、特にマンションの場合、
・上下左右に影響をおよぼすような改築はできない。
・共有部分(かなりある)を変更することはできない。
・間仕切りを変更することはできても、コンクリート壁に穴を明けるようなことはできない。
・水まわり位置を変更することはできない。
・階段を別の場所に設置することはできない。
・ネット回線を勝手に変更できない。
・民泊は禁止
・家具の配置は自由にできる。(しかしこれは賃貸でもできる)
こうなると「自由にできる範囲」という意味での所有範囲は狭く、悲しいけど借用と変わらないです。

自動運転車

完全に自動運転ができるようになると、
ハンドル、アクセル、ブレーキはなくなります。
この状態の車を「所有」する意味はあるでしょうか。
 
人はこの箱に乗り込み行き先を告げるだけ、あとは自動で目的地に着きます。
非常に便利で楽です。
しかし、全く自由にすることはできません。
ということはこの車を所有する意味はなく借用でいいわけです。
 
毎朝8時に家の前に来て、それに乗って会社へ出勤、
車の中で簡単な朝食をとり、新聞を読んでいると会社に到着、
ありがとうと言いながら車を降りると、
車は所有会社へ戻っていく。
帰宅時間を連絡するとその時間に会社の前に車がやってくる。
IDカードをかざすと車のドアが開き乗り込む、
読書をしていると家に着く。
ありがとうと言いながら車を降りると車は所有会社へ戻っていく。
これが毎日繰り返される。
 
完全自動運転ができるようになると公共交通機関と同じです。
所有することに意味がなくなるのです。
 
自動車メーカは自動運転を目指してしのぎを削っていますが、
自動運転車ができてしまうと所有される車が減り、
駐車場で何日も運転されないで止まっている状態の車がなくなります。
今に比べれば圧倒的に少ない数の車で、
車を必要とする需要をまかなえてしまいます。
月極駐車場、コインパーキングというものもなくなります。
 
自動車メーカもラインナップが2,3種類で
タクシー会社のような車所有会社へ卸すだけになります。
自動車メーカは自動運転を推進することにより、
自分で自分の首を絞める状態になり、
淘汰され世界で数社に激減するでしょう。
 
また、車で個性を出すことはなくなり、
ドレスアップパーツや車用品を扱う店はなくなります。
バスや電車用のドレスアップ用品店がないのと同じです。
ドレスアップ用品を買って車に付けることは自由にできることを意味しますが、
その自由が無くなるのですから、所有する意味もなくなります。

所有したいモノ

みなさんは所有してまで自由にしたいものがあるでしょうか。
 
趣味の世界ぐらいではないでしょうか。
それ以外は所有する意味はないでしょう。