FIREとは
FIRE(Financial Independence, Retire Early)の頭文字をとった言葉で、経済的自立を手に入れ早くリタイア(労働からの開放)することです。
「仕事は苦行でありその対価として給料をもらっている」という考え方に基づくものです。
ほとんどの労働者はこの考えに合致します。ただ、ここでいう労働者は給料をもらって働いている人を指します。経営者でも給料を頂いて働いている経営者はこれに該当します。
町のごく小さな中華料理店で店長兼料理人、材料の仕入れ仕込みもして、ホール係も担っているが雇われている、ということであれば労働者になります。
しかし、同じ条件でごく小さな中華料理店の店長でありオーナーであると労働者には該当しません。
FIとREは別のもの
仕事は嫌なことでも仕方なく実施する行為であるという状況に追い込まれているのであれば、経済的自立FI(Financial Independence)は手に入れるべきです。
しかし、好きなことが仕事となっている場合、リタイアRE(Retire Early)する意味はありません。本人にとって、やっていることは好きなことをしているだけで、その行為が他人から見れば仕事に見えるだけという状態です。
Retire Earlyの意味は苦行としての仕事を早くやめるという意味です。苦行となっていない人はリタイアする必要性はありません。
FIとREがセットになっている(FIREでゴロがいい)ので話がややこしくなっていますが、FIとREは別物です。
経済的自立(FI)
経済的自立をめざすことは重要です。
労働者から脱することができない最大の足かせが、食うに困るのではないか、家族を養えなくなるのではないかという不安です。
この足かせがあるから嫌なやりたくない仕事でも「はい、わかりました」と言いながらいやいやしなければならない状況に追い込まれます。
株でも副業(好きなこと)でも何でもいいですが、贅沢はできなくてもそこそこ暮らして行ける収入があるなら、無理してやりたくもない仕事をやる必要もなくなります。断ることができます。断ったところで食うに困ることはないからです。
つまり、仕事だから嫌でもやらなければならないという状態がなくなるのです。嫌なら断ればいいのです。
資本家側と対等な立場で仕事ができるのです。
REは別の問題としてFIはするべきです。
FIの原資
例えば、
年間生活費:360万円
勤続年数:30年
年金受給:70歳から
退職金:2000万円(30年勤続、大卒であれば52歳)
株式運用+貯金:4000万円(30年運用できればこれはクリアできそう)
合計6000万円を年4%で運用できれば、年間6000x0.04=240万円、年間生活費の残りは120万円(360万円-240万円)です。
120万円ということは月10万円を稼げばいいことになります。副業(好きな仕事)5万円+労働(嫌な仕事)5万円であれば、月の労働(嫌なこと)は5万円でかなり少なくできます。
しかも、年金を70歳まで繰り下げ受給すれば1.42倍(税引前)の年金がもらえるので、70歳以降は年金だけで何とか生活できそうです。
52~70歳までの18年間は上記の方法で過ごせばいいことになります。さらに、元本の6000万円は取り崩していない計算ですので、取り崩しを行いながら運用するのであれば、労働(嫌なこと)はしなくてもよさそうです。
家の購入
経済的な面だけ(感情面は考慮しない)で考えます。
ほとんどの物件は資産価値が下落します。投資という面では増えることがない家はよくない投資となります。ただ、超長期的には賃貸費用の方が購入費用を超えることになります。途中で大掛かりな補修などをしなければ、40~50年で分岐点が現れ賃貸費用の方が高くなります。
いずれ、賃貸費用の方が高くなるのであれば、やっぱり購入した方がいいのでは?となりますが、分岐点が40~50年です。ここまでくると建て替えあるいは大規模な修繕が必要な時期になります。
また、自由度という点で持ち家は不利になります。東京で勤務していて家は埼玉で建てたとして、興味のある仕事のオファーがあったとします。しかし、勤務地は北海道です。
さて、どうしますか?
賃貸であれば何も気にせずオファーを受けることができますが、家を持っているとそう簡単にはいきません。家を売る、貸し出す、どちらにしろ損失を減らすだけでメリットは無さそうです。
そして、最大の難点があまりにも長期であるということです。今から40年先、自分自身がどうなっているかなんてだれもわからないです。にもかかわらず、40年先までのお金を前借して使ってしまうのです。恐ろしい・・・
家をローンで購入するなどの行為をしてしまうと、100%家に投資している状態(しかもほぼ下落する)となり、経済的自立の原資を築くことができません。
いつまで経っても労働者のままです。