会話とは「会」って「話」すこと。 モニター越しに会って話すオンラインは会話と言えるのか?

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リアルとオフラインの違い *空気感を共有できない*

 

オンラインでは面と向かって話はできます。しかし、その場の空気は共有できません。

では、空気とは何か?空気とはまさに空気、空間です。画面で見える相手の顔は一度デジタル処理され電波に乗って送られ、再度復元され映像として画面に現れます。空気は伝わっていません。

 

仮にリアルでカウンターに横並びで腰掛け、お互い正面(カウンター内の店員さん)を見ながら話をしているとします。お互いの表情は見ていません。

しかし、この見えていない状態でも空気感は表情まで伝えてしまいます。見ていないのに表情を察することができるのです。

これが空間、その場の空気なのです。

 

リアル呑み会であれば、店員さんの「いらっしゃいませ!」というかけ声、お隣のお客さんが話す声などが雑音にならず、その場の雰囲気をつくりだす空気感になっています。

しかし、オンラインでは空気は伝わりませんので、当人同士の会話を妨げるただの雑音という扱いになってしまいます。

 

また、技術的問題かもしれませんが、リアルは遠くにある音は遠くから聞こえてきますが、オンラインは「近くにある小さな音」のように感じます。

 

さらに、リアルでは途中でツッコミを入れたり、「くい気味」で話をしたりできます。

オンラインでは同時に話すと音が途切れるのです。これは致命的な欠点です。

会話というものは、その人の話が完全に終わってから、「ハイ、次の方」といった流れで話すものではなく、途中でチャチャを入れながらどうでもいいようなことを話すことが会話になります。

 

また、大人数の場合、リアルでは全員が同じ話題を話しているわけではありません。

小グループに分かれて、個々の話題を話していることもあります。

ときおり、隣の小グループの話題に割って入ったりもできます。しかし、オンラインは全員で1つの話題しかできないのです。

実に窮屈です。

 

回線の問題なのか不明ですが、携帯電話のように「同時会話」ができれば、それだけでずいぶん問題は解消できるように思います。



バーチャルとリアルの違い

 

バーチャルとリアルの違いって何でしょう。

 

そこに人がいます。

果たしてその人はリアルあるいはバーチャルどちらでしょうか?

 

そう問われたときに、人は何をもってリアルあるいはバーチャルの判断をするのでしょう。

 

・映像の解像度

・ちらつきの無さ

・肌のつや・質感

・奥行き感

・透明度の無さ

・動きの滑らかさ

・会話の自然さ

 

この程度の判断基準ならバーチャルでもつくれてしまいます。リアルに限りなく近いバーチャルを表現したとしても、人にはリアルとバーチャルを見抜く感覚があります。

 

それが空気感です。



空気感

 

その場の空気とかよく言いますが、これ実は本当に空気なのだと感じます。

空間を共有していることは空気を媒介にして空間を感じていることです。

 

相手が動くことにより空気が揺れ、その波が自分に伝わる。

相手の目が動いた、その映像は空気を通じて少しひずみながら届く。

相手が声を発した、空気が波となり伝わる。

 

すべて空気を通して伝わっているのです。

同じ空気の中に居ればこそ、味わえるのが空気感です。

 

人は目に見えない空気という流体物の中でずっと過ごしているため、空気の存在を忘れていますが、人は空気感というものでこの気体から影響を受けているのです。

しかし、その場の空気感というものはあいまいなものです。空気という流体は存在するのに「空気感」という表現で、人は空気が存在しないものとして扱っています。

 

目に見えない空気の存在を意識しだしたら、いちいち煩わしい存在となってきます。

存在する流体ではなく、「空気感」という感覚的なものとしてしまう方が都合がいいのです。

 

会話とは「会」って「話」すもので、会って話しながら空気の影響を受けながら、空気を媒介としてお互い影響を受け空気感を感じているのです。