借金大国日本、どこまで借金していいの?

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輪の中だけでめぐる

 

例えば、

橋を造るために国が1000億の借金をします。

お金というものは移動するだけで消えません。

 

そのお金は大手ゼネコン→下請け→孫請け、建築資材屋さん、労働者のための弁当屋さん、近隣の食堂などかかわる労働者に均等ではありませんが分配され流れていきます。そして労働で得た賃金は労働者の口座に預金されます。

途中でお金は消えてなくなることはありません。

 

国の借金1000億円は個人、企業の預金に変化していくことになるのです。

 

仮に、この仕事で孫請け業者の一人が給料の全てを競馬で使ってしまったとします。その人の口座にはお金が無くなっています。しかし、競馬関係者あるいは馬券が当たった人にはこの人が負けたお金がわたっています。

お金は消えたわけではなく移動しているだけです。そして、競馬関係者、馬券が当たった人の預金はその分増えているのです。

 

こう考えると国の借金がいくら増えても、国全体の預金もその分増えるので問題が無いことになります。



輪の外に流れる

 

国の借金に比例せず預金が少ない場合は輪の外側(国外)に借りができていることになります。

 

輪の外側に借りができると必ず返す必要があります。

家庭内で家族に掃除、洗濯をしてもらってもその借りを返す必要はありませんが、家政婦さんに頼んだら、家政婦さんは輪の外にいる人なので、その分の支払いは必ずしなければならなくなります。

 

先程の橋を造るために国が1000億円の借金をしたが、働いた人が日本国民であれば1000億円は国民の預金となり、日本国全体としては1000億円は相殺されます。

橋ができたあとの未来の効能、人々が行き来し易くなり、流通も活発となり両地域の経済も発展するという効能も得ることができます。

建設するための初期費用をゼロ(相殺)にして、未来の効能を得ることができるのです。

 

ただ、これだけ国際的になった状態で、輪の外に出る分を完全にゼロにすることは不可能です。

鉄筋コンクリートの鉄は日本製鉄から購入したかもしれませんが、原材料の鉄鉱石は中国から輸入しているかもしれません。鉄を製造する製造工程の機械も完成品は日本製ですが、部品は中国から輸入したものかもしれません。

少なからず輪の外の人に働いてもらっています。

国の借金をチャラにできなくなる?

 

では少なからず国の借金はチャラにできなくなるのでは?

その通り、この1000億円の橋をつくる事業だけではチャラにはできません。

しかし、日本は長い間、貿易黒字国です。

いままで輪の外に借りをつくっているのです。この借りがあるために一つの案件で完全にチャラにできなくても問題にはならないのです。



ではどうして破綻する国があるのか?

 

1.国民が働かない(労働力がない)

2.いままでの累計で貿易赤字となっている



橋を造るために国が1000億円の借金をしたが、国民が高齢者ばかりで労働力がないので外国の人に働いてもらったとすると、輪の外の人に貸しをつくったことになります。輪の外の人には貸しを返す必要があります。ここで国が貿易黒字であればいままでの借りがありますので補うことができます。

 

つまり、輪の外の労働力を使用して、その使用に見合うだけの貿易黒字(貸し)がなければ破綻することになるのです。

お金を刷って国民にバラまけばいいのでは?

 

ただお金を刷ってバラまくだけでは労働が産まれません。お金はもともと流れるだけなので必要なのは労働です。

何もつくられず、何のサービスも産まれず、何のシステムもつくられないとすると未来の効能は得ることはできません。

さらに、お金だけあっても働く人がいなければ、食料も買えない、外食もできない、旅行も行けないことになります。

 

労働がなければ意味がないことになります。

(「労働」の定義はまた別で述べたいと思います)



借金はいくらでもOK!

 

日本の借金はいくらでも問題ありませんが、この借金には条件があります。

 ・働く人が日本国民であること。

 ・仮に外国の人が働いたとしても、貿易黒字でまかなえる範囲であること。

この二つの条件の範囲であれば、日本の借金はいくら増えても問題ないことになります。

 

高齢化して労働力が減ってきています。

さらに貿易赤字になると、借金で労働を生み出す作戦は使えなくなってしまいます。

 

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